東アジアのぎくしゃくを懸念=「東洋人として仲良くしよう」=書道、台日合同展 客家センターで

6月18日(土)

 同じ東洋人のコロニアとして、仲良くしよう──。文協ビルそばの客家センター(客家プラザ)で、台湾コロニアの書道家、王文彬(秋峰)氏とブラジル書道愛好会(若松孝司会長)の合同展が開かれている。歴史認識をはじめ、反日デモや尖閣諸島(魚釣島)の領有問題などで揺れるそれぞれの祖国。外交関係が少しでも、好転、回復してほしいという願いが込められているという。
 王氏が十年前に、書道愛好会主催の展覧会に足を運んだことがきっかけで、両者の親交がスタート。これまで、合同展覧会は企画されたことはなかった。最近のぎくしゃくした東アジアの関係を懸念した王氏から急きょ、連絡が入った。
 百点余りの作品が展示されている。日系からは教師約十人が参加。書道愛好会教師の大塚弥生さん(61)は「台湾と日本では教え方が異なり、違いを見られるのが大きな見所。館内には、民族衣装などが飾られており、台湾文化に触れてもらいたい」と来場を呼びかけている。
 台湾コロニア側の応対も親切。客家センター入り口から係りの女性が、会場まで案内してくれるという。
 今回の反響しだいでは、ほかの共同企画も立案していきたいところ。大塚さんは「いろいろな面で協力していけるのではないでしょうか」と、交流の活発化に期待を膨らませている。
 展覧会場の住所は、サンパウロ市リベルダーデ区サンジョアキン街460番。九日が合同展初日だった。二十六日まで、午前九時から午後五時まで一般公開されている。入場無料。