コラム オーリャ!

 「一年の経には、籾を植えよ、十年の経には樹を植えよ、百年の経には人を植えよ」。日本ブラジル交流協会の玉井義臣会長がよく口にする言葉だ。「日伯の架け橋となる青年の人材育成を―」故・斉藤広志さんの意志を受け継ぎ、始まった同協会のブラジルへの青年派遣制度。だが、先ごろ来年の二十六期生募集中止の知らせを耳にした。
 社会経験もろくに無く、ポルトガル語もわからない若者が一年間、研修をする。そんな若者を受け入れてくれる引き受け先企業や熱心な役員、OBの協力があるからこそ制度は支えられている。「研修をきっかけに将来、少しでも日伯交流促進の力になれれば」と思う研修生も多い。
 日伯交流の一片が無くなるのは残念だ。もし制度が中止になると再開は難しいだろう。今年は四半世紀を迎える節目の年。まだまだ樹を植えなくてはいけない。(南)

05/6/18