交流協会=来年青年派遣見送り=理事会・総会で正式決定

6月22日(水)

 【既報関連】日本ブラジル交流協会(玉井義臣会長)の理事会・総会が二十日夜東京で行われ、来年派遣予定だった二十六期生の募集と国内研修事業が正式に中止された。二十一日、ブラジル側のブラジル日本交流協会(山内淳会長)に通知があった。
 山内会長は「二十五年もたてば社会情勢も変化するし、研修生の体質も変わる。今まで同じ事をずっとやってきたから、新しい時代に適応させた制度にしようと模索する動きです」と説明する。「日々の業務に追われていると見直し作業は難しいので、それならいったん中止となったようです」。
 バブル崩壊後、企業賛助会員が減少し、研修生が一人九十万円払う参加費に頼らざるをえない財政状態になり、参加者数を増やしつつ運営を続けてきた。それに伴い、引き受け先を探すブラジル側の負担は徐々に重くなり、査証の発給も条件が厳しくなるなど取り巻く環境は変化してきた。
 「来年の引き受けを予定している団体にはご迷惑をかけるが、来週には事情を説明した文書を発送する予定です」と山内会長は語った。「今回の処置は発展的解消や世代交代を視野に入れたもの」。
 ただ、OBら一部には「いったん火を消すと、復活させるのはもっと大変」との意見もあり、派遣の一時中止で受け入れ先企業から縁を切られないような慎重な対応が今後の課題となりそうだ。
 現在の二十五期生に関しては一切変更はなく、予定通り研修を続ける。