「小泉首相揮毫」にお礼=グァタパラ文協=川上会長、100年祭に招待=「快諾した、08年には来るよ」

6月24日(金)

 今年三月に、小泉首相揮毫の書がグァタパラ農事文化体育協会に寄贈された。川上淳同会長は、そのお礼のため、五月三十一日、小泉純一郎首相のもとを訪れた。揮毫は「感動 日本移民発祥之地 二〇〇四年九月十四日 内閣総理大臣 小泉純一郎」と書かれたもの。碑はすでに完成し、七月十日に行われる入植祭での除幕式で披露する予定だ。
 それに加え、川上会長は二〇〇八年の移民百周年に向けて『根元正顕彰碑』建設案を百周年記念実行委員会に提案する計画を立てている。
 その旨を小泉首相に話したところ「是非、実現に向けて頑張って欲しい」と激励されたそう。根元正は茨城県出身。一八九四年外務省から農商務参事官としてブラジル移民探検調査に派遣された。「サンパウロに日本人が移住することは、日本人のみの幸福ではなく、また、人類の幸福である」と報告し、日本のブラジル移住の動機となった人だ。
 同じく茨城県出身の川上会長は、この言葉に感動し、顕彰碑建設案計画を決意した。「首相に『百周年にはまたこのグァタパラ移住地に来てください』とお願いしたら、快諾してくれた。だから、二〇〇八年には必ずと言っていいほど来ると思うよ」と期待を示した。
 また、五月四日に行われた全国植樹祭にも出席し、天皇皇后両陛下とお会いした。川上会長は、陛下と同じ歳であることから「田中農場はご存知ですか」と聞いてしまったという。しかし、「田中農場」は陛下にとって思い出の場所でもあるので、質問に答えてくれたそう。「やはり、時代を共有した同年代。子どもの頃の話などをした」と目を細めた。
 「もう一つ感激したことがある」というのは、陛下の口から「五齢」という言葉が出てきたこと。「これはかいこが繭を作り始める時期のことをいう。養蚕経験がある人じゃないとなかなか知らない言葉」と川上さん。自身も養蚕していたことから「共通の話題ができて特に嬉しかった」と話す。
 「このように、小泉首相や天皇皇后両陛下にお会いできたのもコロニアの皆さんのおかげです」と感謝の意を表した。