ひとマチ点描―森の中に1カ月―

6月25日(土)

 三月に筑波大学院を卒業した白石絢子さん(25、東京)は、在学中からブラジルのインジオ支援活動などを行なう日本のNGO、熱帯森林保護団体(RFJ、南研子代表)でボランティア活動している。
 四月末から1カ月間、初めてブラジルでの活動を体験。インジオの学校を作るプロジェクトのため、ブラジリアから1500キロ、バスで3日間を経てシングー国立公園に入った。
 電気も水道もない大自然の中だ。「水を汲み場まで行くのに十分、調理場までも十分はかかる。森全体が家のよう」という。「不便を感じるより自然に生かされている感じがしました」
 代表の南さんらの活動を見げ、一方的に援助するのではなく、何が必要かを聞いて少しずつ改善していくことの大切さを学んだ。「インジオの社会から日本が抱える自殺や引きこもりなどの問題解決の糸口が見つかるかもしれない。彼らに学ぶものはたくさんあった」。日本を見詰め直す機会にもなった。
 今後の目標は、「日本と、ブラジルやインジオがつながっているということを日本の人に伝えたい」