拍手鳴り止まず=コロニア芸能祭=2500人が楽しむ

6月28日(火)

 今年で四十回の節目を迎えたコロニア芸能祭が二十五、二十六の両日、サンパウロ市のブラジル日本文化協会であり、延べ約二千五百人(主催者発表)を超える来場者でにぎわった。
 午前十時にスタートし、午後七時近くまで続いた二日間。舞踊を中心にした演目の出演者は計六百人以上を数え、「芸能社会」とも言われる日系社会の最大規模の祭典にふさわしい盛り上がりを見せた。
 二日目の開演に先立って、文協の上原幸啓会長は「出演希望者が毎年増加している。予選会で辞退をお願いしなければいけないのは、主催者としてうれしいような悲しいような。日本文化普及にかける皆様の意気込みには感服します」とあいさつを述べた。
 続いて文協芸能委員会を代表し、重田エウゾ委員長が「芸能祭は、文協主催行事の中で最も大きなもの。上演される演目は実に多彩で、いずれも日本人移民がブラジルに持ち込んで、研鑚が積まれ今日の姿に至っている」と述べた。
 来場者の大半は高齢の一世か二世。琴や笙の演奏、歌謡ショー、三味線太鼓……と息つく間のなく次々と披露される日本の芸能絵巻に大喜び。初参加の広島県人会が見せた神楽『ヤマタノオロチ』の大蛇の迫力あふれる動きや、出演者に非日系人のサムライが目立った剣舞・詩舞などに、大きな拍手を送っていた。
 戸塚マリ舞踊教室の生徒としてフラメンコを踊ったサンパウロ市の大浦玄さん(55)は一九七〇年代の移住者。三十日夜には、永住の心積もりで日本に帰国する。「四年間の練習の成果を出せたと思う。最後にいい思い出になった」と笑顔で語っていた。