コラム オーリャ!

 「サンパウロ人、文科学研究所ってなんですか」―。そんな質問の電話がかかってきたという人文研。日本人移民や日系社会に関する調査研究を行っており、諸外国の研究団体からも評価を受けているありがたい機関なのだが、「経営危機だ」と関係者は嘆いている。
 一九八〇年ころまでは会費で運営ができていたが、九〇年代の日本のバブル崩壊による日系企業引き上げで会員が激減。毎月行っていた会員向けのゼミはなくなり、会報『人文研』の発行も滞っている。「個人会員の年会費は百二十レアル、企業でも百五十レアルから。良心的だと思うんだけどね」と宮尾進顧問。「講演はしょっちゅう頼まれるが、研究所を引き継いでくれる人はなかなかいない」。
 文協ビル三階奥ではあなたの救援を待っている。(郁)

05/6/29