在日ブラジル人=永住5万=前年比25%増=法務省が最新統計=薄まるデカセギ意識

6月30日(木)

 日本の法務省入国管理局はこのほど、二〇〇五年の外国人登録者統計(概要)を発表した。日本国内の昨年末現在における外国人登録者数は百九十七万三千七百四十七人。そのうちブラジル人は二十八万六千五百五十七人で、前年に比べ一万千八百五十七人(四・三%)増加した。都道府県別に見ると愛知県や静岡県を中心とした中部・東海地方への人口集中が続いていることが分かる。また、ブラジル人永住者が前年比二五%増の五万二千五百八十一人となった。日本への定住化傾向がうかがえる。
 日本に暮らすブラジル人がはじめて二十万人を突破したのは一九九六年のことだ。以来十年、その数は二十八万人に増え、三十万人に届こうとしている。
 二〇〇四年末現在、日本に暮らすブラジル人は二十八万六千五百五十七人。「韓国・朝鮮」「中国」に次いで三番目に大きく、外国人登録者全体の中でも一四・五%を占める。
 都道府県別に見ると、ブラジル人が最も多いのが愛知県で、六万三千三百三十五人。次いで静岡県が四万四千二百四十八人。このほかにも長野、岐阜、三重でも一万七~八千人が暮らしており、中部・東海地域への人口集中が続いていることがうかがえる。また、今年の統計では滋賀県のブラジル人登録者が一万二千人を突破。在日ブラジル人社会は近畿地方にも広がりつつある。
 各県内の外国人登録者数に占める割合から眺めてみると、ここでも同地域におけるブラジル人コミュニティの大きさが感じられる。静岡県では五〇・三%、県内外国人の半分を占めるほか、滋賀や三重、長野などでも四割を超える。人数はそれほど多くないが、山梨や富山でも県内外国人の三割以上がブラジル人だ。
 かつて在日ブラジル人社会の中心だった群馬や栃木、神奈川など関東地域の各県では、群馬県が一万六千人、茨城県が一万一千人と相変わらず多い。ただ、登録者数は増えているものの、県内外国人全体に占める割合は減少する傾向にある。
 もう一つの傾向として、永住者の増加が挙げられる。今回の統計によればブラジル人の一般永住者は前年比二五%、一万八百十人増えて五万二千五百八十一人となった。永住者は二〇〇〇年ごろから顕著な増加を示すようになり、毎年約一万人ずつ増えつづけている。要因の一つとして、滞在の長期化にともない日本に定住する傾向が強まっていることが考えられる。