3世芦原さんが優勝=アマ歌謡祭=東京で開催=掃部さんに特別賞

7月1日(金)

 五月二十八日東京で開かれた日本アマチュア歌謡連盟(NAK)主催の歌謡祭で、ブラジルから参加した三世の芦原ジャネさん(39、マリンガ)がグランプリに輝いた。また、ソロカバ在住の掃部(かもんぜき)関弘さん(83)も、審査員特別賞を獲得した。
 今年で二十四回目の同祭。約六千人が参加した日本全国の予選会を勝ち抜いた八十人と、ブラジル、アメリカ(ロス、ハワイ)の海外代表五人が出場した。
 同連盟ブラジル本部(石井久順顧問、北川彰久本部長)からの出場者がグランプリを受賞するのは芦原さんで四人目だ。
 芦原さんは吉幾三作曲『娘に』を、「結婚式のときに既に亡くなっていた母の在りし日の姿を、思い浮かべながら」歌った。感謝を捧げることの出来なかった無念をにじませた。
 カラオケは九歳からと長いキャリアを誇るが、「普段日本語を使わない環境で暮らしているにも関わらず、心を込めて日本語を使っているとほめられていた」(北川本部長)
 特別賞の掃部さんは得意の『望郷新相馬』で、円熟味のある歌唱力を披露。「郷土への慕情を、真心で表現している」と、高い評価を受けた。五十歳から民謡を歌い始めたが、カラオケは「まだ十三年ですから」と謙遜に語る。
 同祭の審査委員長は、元日本レコード大賞審査委員長の小西良太郎氏。ほか、レコード会社のディレクター、プロデューサーらが審査員を務める、最高クラスのアマチュア歌謡祭のひとつとして知られる。