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7月2日(土)

 自分の好きな文字を書いてください。ブラジル日本語センターの及川さおりさん(青年ボランティア)は、各地の日本語学校で書道を教えている。先ごろ、アチバイアで七十歳から九十三歳までの一世十三人に、そんな質問した。答えは愛、夢、武、慈、和、忍、誠、真、赦、器、福、信、悟だった。丹羽義和事務局長は「これだけで判断するのは危険だが、移民の心理が出ているのでは」とコメントしている。因みに、日系人子弟に同様の質問をすると、圧倒的に愛だそう。
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 最近、本紙で扱った記事に対し、抗議の手紙があった。「(記事で)取り上げられた人物は泥棒。美談にするのはとんでもない」というもの。ある移住地の造成に関わる段階で幾ばくかの金銭の貸し借りがあり、「まだ返してもらってない」と書面で訴えている。手紙の差出人は当時の書類を保管しており、「正直者がバカを見る」と世の中をはかなんでいる。
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 JICAに日系社会青年ボランティアを要請する際の要綱のなかから「団体事務」「企画編集・広報」の職種が除外された。従来どおりその職種の青年がほしい南日伯援護協会(ポルトアレグレ)は、困っている。次善策として交流協会留学研修生の受け入れを検討しようとしたが、既報のように、協会は派遣を中止した。こうなると「現地からの人材募集」しかない。過去、JICAの恩恵があったことは、認めなければならないし、どんどん〃切って〃いくのを恨めしく思うし…。