三味線コンクール成功=タウバテで初めて=確信させた「今後の継続」=1位は音楽大学学生=エレキギター奏者だった

7月5日(火)

 「来年は今日集まった人数の五倍くらいにする」。海藤三味太鼓教室(海藤司代表)は、初めての試みとして、三日午前十時から第一回三味線コンクールをタウバテ日伯文化協会で開催した。会場には約二百人が集まった。
 審査員は、郷土民謡協会の北原民江さん、横山正ブラジル日本民謡協会会長、石川諭江差追分ブラジル支部長の三人。コンクールには十代、二十代を中心にタウバテはもちろん、サンパウロ、ベロオリゾンテ、クリチーバ、プレジデンテ・プルデンテ、レジストロなど各地から計十九人が参加した。ほとんどが三味線を始めて一、二年。それぞれ『花笠音頭』、『ソーラン節』、『津軽じょんがら節』などを演奏した。
 見事一位に輝いた広瀬平和さん(23)には、石川支部長から賞品の三味線とトロフィーが手渡された。広瀬さんは三味線を始めて約二年。カンピーナスのウニカンピ音楽大学でエレキギターをしているそう。「驚いた。毎日少しずつ練習した」と笑顔で話した。 二位の西川アルバルさん(18)、三位の山城カリーナさん(15)にもトロフィーが授与された。江田グスターボさん(18)、久保さゆりさん(15)には賞品が手渡された。
 JICA青年ボランティアでタウバテ日本語学校の日本語教師として研修している本郷園子さん(26)は「もの凄く緊張した。ブラジルに来て初めて三味線に触った」と話す。
 北原さんは「リズムはみんなきちんとできてるけど、つぼを押さえるのはまだまだ。でも若い人がこれからどんどん上手になっていくのが嬉しい」と評価した。石川支部長は「若いうちにこのように三味線などの楽器に触れるのはいいこと」と若い人に期待を示した。
 午後からはアチバイアの清流太鼓、サン・ミゲル・パウリスタの天龍和太鼓、特別出演として木下太鼓チームが演奏を披露した。ほかに琴、郷土民謡、日本舞踊などそれぞれの団体が集まり発表した。
 横山さんは「このようなイベントは本当にいい。海藤さんには感心する。これから若い人の日本文化継承にもっと期待できる」、北原さんは「初めて琴を聴いた子がいて、興味を持ってくれた。やはりこのようなチャンスをつくることが大切」と述べた。
 会場に訪れた人も「若い人がこんなに頑張っているのを見て、『こりゃ、これからも続くな』と思った」と口々に話すなど、好評な様子だった。海藤さんは「今回初めてだけどこれから改善してもっといい会にする。来年は尺八、笛のコンクールもしたい」と抱負を語った。