コラム オーリャ!

 あっちもこっちも絵になるリオデジャネイロを歩いていると、撮影風景をしばしば見かける。
 先週末は、買い物客でにぎわう雑貨衣料の問屋街サアラ区で遭遇した。
 「突っ立ってないで。引っ張るのを手伝って」
 私に向かって怒号が。すると、太い電線を手渡された。カメラのそばで見学していたら、助手と間違えられたのだ。
 半年前にも、似たような経験をした。
 骨董品店が並ぶラヴラディオ街だった。旅行カバンを抱え歩いていた私に手を振る男がいる。近づいてみると、なにやら撮影中だ。「遅かったな。待っていたよ」。握手を求めてきた。大きな荷物を見て、衣装係と早合点したらしい。
 七年前か。初めて訪ねた頃は、通行人から好奇の視線を浴びたものだが、最近では、ほとんどない。リオが変わったのか。私が変わったのか。利点がひとつ。強盗との縁は薄くなった。(大)

05/7/5