日本から文化交流生=郷土の踊り教えます=熊本県人会

7月8日(金)

 熊本県人会(福田康雄会長)と熊本市の提携で行なわれ三年目を迎えた文化交流で、日本から福本枝美さん(25)が来伯中だ。三月から五月まで同制度で訪日研修していた三世の清原綾子パウラさん(19)、福田会長と一緒に来社。今後の抱負などを語った。
 市役所の広告を見て応募したという福本さん。「時間はあるから行ってみようと思った」のがきっかけだ。滞在は一カ月。牛深ハイヤ踊りを県人会の婦人らに教える予定もある。「牛深(地名)の人は、子供のころに学校で踊りを習うのでみんな踊れる」。衣装や小物を使う場合もあるが、いちばんシンプルなものを紹介するつもりだ。
 「この踊りは阿波踊りの原型。まだブラジルには伝わっていないから福本さんに普及してもらいます」と福田会長は期待を寄せる。
 帰国まで毎日予定が入っているが、「忙しいけれどいろんなところに連れて行ってもらって嬉しいです。日本の地元でも聞かない熊本弁を聞けるから、熊本の田舎へ来たみたい」と福本さんは文化交流を楽しんでいる様子だ。
 一方、三ヵ月間の熊本での研修を終えた清原さんは体験を語る。「お茶、生け花、お琴、日本舞踊、日本語、いろんな習い事をして忙しかったけれどますます日本の文化が好きになりました」。日本語も「驚くほど上達した」(福田会長) 困ったこともあった。「夜、道に迷ってしまい、バスもなく、お金も少ししか持っていなかったので暗い道を四キロくらい歩きました。交番を見つけて送ってくださいと頼みました」。パトカーで滞在していた寮まで連れて行ってもらったという。「寮の目の前までパトカーが行くと驚くだろうと、少し手前で降ろしてくれました。とっても親切でした」
 福田会長は「福本さんにはたくさんの思い出を作って帰って欲しい。今後は交流の枠も増やしていきたい」と話している。
 福本さんが指導する牛深ハイヤ踊りは七月中、毎火曜午前十時ころから同県人会(ヴィラ・マリアナ区ギマランエス・パッソス街142)行なわれる。参加自由。希望者は連絡と日時確認を。11・5084・1338(同県人会)。