コラム 樹海

 NHKテレビの日本語講座番組に「新にほんごでくらそう」がある。習う生徒(モデル?)は四人。英語、中国語、朝鮮語、ポルトガル語を母国語としている四人らしい。全員礼儀正しく「優等生」に設定されている。日本においては、その母国語を話す人たちが、ほかの国に比較してより多い、ということで選ばれたものであろう▼ブラジルに暮らす者としては、字幕にブラジル人の名や、ポ語のフレーズがたまに出るので、番組は親しみやすい▼講座では、日常会話で使う頻度が高い日本語を理解しやすいように教える。特に、日本では敬語や謙譲語を正しく使わないと一人前に扱われないということもあって、その使い方に力点がおかれる。対人関係をなめらかにできるようにとの配慮だ。意図はよくわかる▼最近、番組を見ていて、せっかくの日本語講座なのだから、間口を広げて「外国人の犯罪防止」に役立つことも「教える内容」のなかに採り入れることができないだろうかと考えた。犯罪に係わらないように導くテーマ、会話をそれとなく、テキストに含められないものかということだ▼特に日本で暮らす外国人には、日本における、自分本位に行動しない、「公共」ということも学んでほしいといつも思う。それを理解することによって、犯罪抑止にいくらかはつながるのでないかと期待するのだ。郷に入ったら、従え、のデンで、である▼尤も、日本国内の当該外国人たちが番組を視聴していなければ、効果的でないのだが。(神)

05/7/8