5千レ奪われる=邦人男性が被害=サンパウロ市地下鉄

7月9日(土)

 四日午後、サンパウロ市の地下鉄ヴィラ・マリアーナ駅からサンタ・クルス駅に向かう車両内で、五十歳代の邦人男性が拳銃を持った三、四人の男に襲われ、現金五千レアルやパスポートなどが入ったバッグを強奪されていたことが八日、サンパウロ総領事館の安全対策情報(被害速報)で分かった。
 被害者の男性はリベルダーデ区の銀行で小切手を換金後、地下鉄に乗って帰宅途中だった。バッグを奪われた際に、右こぶしに軽傷を負った。
 総領事館によると、犯人はバッグを強奪すると同時に、地下鉄の非常停止ボタンを押し、車両を緊急停止させた。しばらくして動き出し、サンタ・クルス駅に。犯人は逃走したが、男性がパスポートを取り返すため追いかけたところ、現金のみを奪ってバッグは投げ返してきたという。
 男性の話では、被害当時、車内はほぼ満席だったが周囲の乗客は何もしてくれず、車両が停止したときには運転手が確認に着たにもかかわらず、救助の姿勢を見せなかったという。
 総領事館では「犯人らは銀行内か、周辺で被害者を物色し、狙いを定めていた」とみて、注意を喚起している。
 防犯対策としては▽多額の現金は、分散させ所持する▽現金、クレジットカード、パスポートなどをすべて一緒に携帯しない▽抵抗して撃たれた例もあるので、抵抗や逃走、追跡しない▽銀行にはできるだけ複数で行き、銀行を出た後は周囲を警戒する――など呼びかけている。