内容がたくさんある運動会=ピラール・ド・スール=心地よい1日

7月19日(火)

 【ピラール・ド・スール発】サンパウロ市から南西百八十キロにあるピラール・ド・スールで十日、第四十九回家族慰安運動会が行われた。同市市長や近隣の町のイビウーナ、ソロカバなどの文協役員が来賓として訪れた。
 サンパウロ市や遠くの町からもその家族、親戚などがたくさんかけつけ、その数はざっと見積もっても五百人以上。運動会を楽しむと同時に家族や友人との久しぶりの再会を喜び合っていた。
 また、四日前にソロカバに到着したばかりの加藤眞理JICAシニアボランティア(日本語教育)も顔を見せ「こんなにたくさん人がいて、小さい子からお年寄りまでみんな元気に参加して楽しそう」と初めて見る日系社会の運動会に驚いた様子。本人も見て感じるより参加して感じるとばかりに早速その中に飛び込み、リレーや様々な競技に参加するなどして、楽しんだ様子だった。
 午前最後のプログラムでは、一昨年から発足して着実に腕を上げている太鼓部が発表した。部員は子ども十五人ほどで、新入部員を含む全部員が週二回の練習の成果を披露。元気で力強い太鼓の音が晴天の空に響き渡り、この時ばかりは運動場全体が静まり誰もがその迫力ある演奏・動きに魅入っていた。
 午後の最初のプログラムは、婦人会・母の会・日本語学校教師合同の踊り。氷川きよしの「ずんどこ節」をアレンジしたものなど二曲を披露した。婦人会や母の会はこの日のために週に二回集まり、上芝原初美婦人会長の指導の下、特訓を行ってきており、この日は総勢四十人以上が参加。嫁・姑・日系・非日系など関係無く女性会員の健在ぶりを見せつけた。
 続いて日本語学校の生徒が「馬場体操」を行った。これはいわゆるエアロビクスで、サンパウロ市在住の日本語教師、馬場康二教師がNHKの番組を基にして考案したもの。五十以上あるというその体操の中から三つをメドレーにして運動会用に多少アレンジをした。生徒達はグループごとに赤・青・黄色・緑に染めたTシャツを着て、元気のいい動きを見せていた。
 また、日本語学校では運動会作品コンクール(毛筆・硬筆・作文・絵)を行っており、その結果発表もあった。入賞者の名前が呼ばれる度に生徒全体から歓喜の声が上がり、入賞者はうれしそうに賞品を受け取っていた。そのコンクールの全生徒の作品は、会館の中に展示されており、父兄ら多くの人が足を止め、作品を鑑賞していた。会館の中には他にも、七夕の飾りや恐竜のオブジェや絵など日本語学校の作品がぎっしり詰まっており、日本語学校の活発的な活動ぶりがうかがえた。
 競技だけでなく様々な要素がつまった運動会。午後四時過ぎ、最後四十番目の競技、地区対抗リレーを終えると、皆、心地よい体の疲れ、獲得したたくさんの賞品、そして一日の楽しい思い出を持ち帰っていった。