コラム オーリャ!

 ブラジルでますます盛んになってきているカラオケ。子どもからお年寄りまでこれに懸ける思いは強い。聞くところによると毎週大会に参加し、多い日だと一日に三つの大会に出場する人も。歌わない日があると「何か物足りない」と言う。
 先日訪れた大会では、皆プロ顔負けの歌唱力。彼らは「出場者」と呼ばれるのではなく、もはや「歌手」と呼ばれている。一体どんな気持ちで歌うのか、「娘へ」「大器晩成」などの曲を十代の子どもたちがこぶしをまわして熱唱する。
 この大会で優勝すれば日本でプロになれるはずと言う。それもそのはず、日本でカラオケと言えば「遊び」。こんな大規模な大会は見たことがない。
 衰退しつつあると言われているブラジルでの日本文化。カラオケは逆で三、四世まで継承され、一つの「競技」になりつつあると感じた。(南)

05/7/23