全伯相撲,女子が盛上げる=参加選手総数も昨年の倍=パラー勢大いに躍進=総合男子1位、女子2位

2005年7月26日(火)

 「去年の倍、選手が集まった」。ブラジル相撲連盟は、第四十四回全伯相撲選手権大会を、二十三、二十四の二日間開催した。リオ・グランデ・ド・スル州、パラー州をはじめ、十チーム約三百五十人が参加した。幼年、青年などカテゴリーに分かれ、八歳から四十歳の選手が土俵に上がった。「今年は何と言っても女子の活躍が光った」と関係者が口々に言うように特に女子の相撲人口が増加傾向にあるという。
 パラナ州ロンドリーナチームは今年、女子が初参加となった。監督のカシアーノ・ジョアキン・ゴメスさんは「みんな先生の言うことを聞いていい子。相撲が好きだから週四回の練習に、雨の日も休まず来るくらい勤勉」と話す。
 去年の女子世界チャンピオンのフェルナンダ・コスタ選手に中量級で勝利し、涙を流して喜びを表したのはパラー・チームのアレサンドラ・ドス・サントス・マルコスさん(21)。今までに四回対戦したが全敗していた。「信じられない。もの凄く嬉しい。大会前はずっと練習してた」と感動を露わにした。また、この日無差別級でもチャンピオンに輝き、二冠を達成した。
 女子ノーバ・セントラルチームは四年連続総合優勝を成し遂げた。木本由紀雄監督は「練習は厳しいけど教えがいがある。去年に比べて大勢の人が参加してとてもいい大会だった」と話した。
 最後には表彰式が行われ、それぞれの選手が笑顔でトロフィーを受け取った。また、十月十五、十六日に大阪で行われる世界選手権大会出場者、男子四名、女子四名が発表された。その中の一人、無差別級のエヴェリゼ・コレア選手(36、リオ・グランデ・ド・スル)は百八十七センチメートルの長身を誇る。「今日は一回負けてふらふらになったけど、遠くから来たから頑張った。日本ではブラジルを代表して頑張りたい」と意気込みを語った。
 男子中量級の林優次選手(39)は世界大会出場五回の経験を持つ。「これが最後の大会だと思うから一生懸命頑張りたい」と話した。
 また、男子チーム総合優勝を果たしたのはパラーチーム。中心となって指導している藤城勝志(28)さんは、大相撲時津風部屋で稽古をしていた。「この経験を活かし、日本で学んだ相撲をパラーで教えていきたい」と述べた。
 会場には連日大勢の人が応援に訪れ、盛大のうちに会は終了した。
結果は左記の通り(抜粋)。
▽世界大会出場者
男子・(軽量級)高倉マルシオ、(中量級)林優次、(重量級)小斉平徹、(無差別級)須賀野リカルド
女子・(軽量級)渡辺ルシアナ、(中量級)アレサンドラ・ドス・サントス・マルコス、(重量級)フェルナンダ・コスタ、(無差別級)エヴェリゼ・コレア
▽敢闘賞・アレサンドラ・ドス・サントス・マルコス
▽技能賞・森本健一
▽殊勲賞・村上ユウゴ
▽総合優勝チーム
(男子)
一位パラー、二位スドエスチ、三位サント・アマーロ
(女子)
一位ノーバ・セントラル、二位パラー、三位サンパウロ