■ひとマチ点描■百周年、日本からも応援

2005年7月27日(水)

 「ブラジルという人種のワールドカップをやっているような国で日系人がこんなに戦っていることをもっと知るべき」。
 キャップにウエストポーチ、ノリのいい話方、「DJのお兄さん」のイメージとは裏腹に、KTA(ケイタ)☆BRASILこと渋谷慶太さん(28、東京)=写真=は日本人が移民の歴史を知らないことを嘆く。
 日本のテレビやラジオ番組でナレーターやDJを務め、音楽を通してブラジルの魅力を伝えるのが彼の仕事。「サンパウロには見るところがないなんて言う旅行者がいるけれど、多くの日系人がいることや、音楽やファッション面でかなり進んだものがあることを考えれば、日本人がもっと興味を持っていいはず」。
 渋谷さんが最初にブラジルに来たのは1997年のカルナヴァル。リオを訪れもともと興味を持っていたブラジル音楽にはまった。以降仕事やプライベートで来伯。01年には浅草サンバ・カーニバルの役員としてブラジル日本文化協会も訪れた。
 「日本移民百年までにもっと日本人にブラジルを見て知ってもらいたい、いろいろやって日本からも盛り上げていく」。楽しそうにさらっと言いのける言葉の中に、頼もしいものを感じた。      (郁)