コラム 樹海

 拡大路線を走り、開催規模がより大きくなった日本祭り。コロニアの参加団体は、来年も開催されたら、ぜひ参加したいと思っているだろうか。苦労した割りには報われない、もうこりごり、なのだろうか▼日本から来てまだ日の浅い人たちは、異口同音に感想を述べた。「日系社会の底力を見た」。たぶん会場に詰め掛けた人の多さを言ったのだと思われる。十万人も誇張ではあるまい。昨年(サンパウロ州議会議事堂駐車場で開催)の四十万とかは、余りにもはったりが過ぎた▼今回の人出を見て、移民百年祭のサンパウロ記念式典もあれくらい集めて挙行できないか、と欲が出てきた。多いばかりが素晴らしいのではないが、参加者が少なくて貧相なのは困る。七十周年祭の際のパカエンブー競技場には七万人が集まった。公式発表である▼いまどき式典とアトラクションのみで七万人を動員するのは至難である。日本祭りの集客は、いくつかの企画努力があってできたのである。「食べもの」「展示」「芸能」、その他だ。非日系人にとっても、なにか「行ってみよう」という魅力があったわけだ▼入場料五レアルは、ブレーキにはならなかった。たとえ、イドーゾから徴収しても、さほど総客数には変化がなかっただろう。つまり、興味を覚えれば、行く人は行くのである。百年祭の魅力づくり、興味をかきたてる企画は、ことしの日本祭りが、いくらかは参考になるはずだ。主催者県連はまだまだ色あせていないこともわかった。(神)

05/08/03