ホーム | 日系社会ニュース | 「行け行け同胞海越えて―」楽譜歌詞見つかる=歌の名は『渡伯同胞送別の歌』=有志ら「後世に残そう」運動=歌手・中平マリコさんも=「来年訪伯時歌いたい」

「行け行け同胞海越えて―」楽譜歌詞見つかる=歌の名は『渡伯同胞送別の歌』=有志ら「後世に残そう」運動=歌手・中平マリコさんも=「来年訪伯時歌いたい」

2005年12月16日(金)

 「移民歓送の歌」を後世に残そう―。中沢宏一県連会長を中心に、正確な楽譜と歌詞を探していることを広く呼びかけていたが、さきごろ見つかった。中沢さんらは、歌が掲載されていた月刊雑誌、昭和二(一九二七)年二月に発行された日伯協会の『ブラジル』を入手した。「渡伯同胞送別の歌」として譜面と歌詞が紹介されていた。これは、NHKドラマ「ハルとナツ~届かなかった手紙」の中で歌われたことがきっかけ。百周年記念式典で歌おうと譜面を探していた。この活動を知った日本の歌手・中平マリコさんも興味を示し、来年の来伯時にはぜひ歌いたいと意気込んでいる。
 今回、入手した譜面には「移民歓送の歌」ではなく、「渡伯同胞送別の歌」となっていて五節までの歌詞が書かれていた。
 これまでは、音楽家・島田正市さんが音譜と前奏をつけて練習していた。ブラジル郷土民謡協会の桜庭喜太郎会長も、戦前移民を中心に歌詞と曲を尋ね歩き、三節までの歌詞を発掘。テープに録音するなどして練習しているところだった。
 この活動を知った歌手の中平マリコさん(在日)はすぐにブラジルにいる知人に連絡。「とてもとても興味があります。ぜひ来年、渡伯したときにみなさんと歌いたい。できれば、日本のコンサートでも歌いたいと思う」。中平さんは二年前に行われた南米ツアーでブラジル日系社会に魅了された。現在は、譜面とテープを取り寄せて準備していく段階だ。
 これを受けた中沢会長は「助かりますね。プロの歌手が日本から来て歌ってくれるなんて、こんな嬉しいことないです。日本でも広めて欲しい」と期待を示している。今後は県連主催のふるさと巡りや百周年に向けての各イベントで歌うなどして、正確な楽譜を広めていきたい考えだ。

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