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日本語のセリフも=子や孫の姿に拍手=たんぽぽ学園発表会

2005年12月17日(土)

 たんぽぽ学園(串間薫園長)の第二十二回発表会が十一日午後、ビラマリアーナ区の北海道協会で開かれた。園児、生徒による絵や習字の作品。舞台では劇やミュージカル、楽器演奏や合唱など、子どもたちが日頃の練習成果を披露した。大勢の父兄、家族が訪れ、子どもの声でにぎわう会場で日曜日の午後を過ごした。
 舞台発表では、イソップ童話「アリとキリギリス」をモチーフにした「むしさんストーリー」や「さるかにがっせん」のオペレッタ、「おむすびころりん」の劇など。年長の日本語コース生徒による「かもとりごんべえ」では、紙芝居を使って生徒一人一人が物語を暗誦する試みもあった。
 同学園は串間園長の母親の代に始まり、今年で二十三年目。園長は「子どもたちは作文、音楽などの舞台発表に慣れていないし、今は家庭で日本語を使わない子も多いですね」と現状を説明する。
 色とりどりの衣装で舞台に上がり、日本語のセリフに挑戦する子や孫の姿に、会場から盛んに拍手が上がっていた。
 舞台発表をはさんで、日本語コースの子どもたちが作文の音読。家族や友達の紹介や「日本のいとこをブラジルに招待したい」「日本の大学で勉強したい」など、それぞれの希望を読み上げた。
 孫が通っているというサンパウロ市在住の男性(二世、66)は「(舞台の孫を見るのは)楽しいね」と目を細める。「僕は日本語ができないからね。孫には日本の文化を習ってほしい」。
 同じく同園に孫が通う女性(一世、85)は「小さいなりに、礼儀作法とか覚えますよ」と話してい。
 卒園式では四人の園児が壇上に並び、串間園長から一人一人証書を受け取った。「これからもがんばって勉強してください。あなたたちはブラジルの未来なのですから」と園長は子ども達に言葉を贈った。

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