文協創立50周年祝う=式典に副知事ら招き=首相揮毫の記念碑除幕=貢献者146人を表彰=「これからも存在感」

2005年12月20日(火)

 文協五十年華やかに祝う――。ブラジル日本文化協会創立五十周年記念式典が十七日、クラウジオ・レンボ副州知事を始め、多くの来賓を招き、盛大に挙行された。小泉首相揮毫の記念碑除幕、文協の発展に尽くした百四十六人への表彰式、昼食会を通して約五百人が文協の半世紀を振り返った。
 式典に先立ち、山内淳(八代)元会長、岩崎秀雄(九代)前会長のプレート除幕式が会長室で関係者を集め行われた。山本喜誉司初代会長を始め、九文協会長が会長室の壁を飾ることになった。
 続いて、文協大講堂入口前にある日本庭園で昨年来伯した小泉純一郎総理大臣の揮毫「日日新 新天地」が刻まれた石碑の除幕式。
 上原会長、西林万寿夫総領事、総理大臣の従兄弟にあたる井料堅治氏、揮毫碑建設に尽力したニッケイ新聞社の高木ラウル社長の手により除幕され、揮毫碑と記念撮影する関係者も見られた。
 午前九時からは現在、編集中の「文協創立五十周年記念DVD」が大講堂で流され、式典開始を待つ出席者がスクリーンを見つめた。
 昨年八月に行われた日本館五十周年式典、文協選挙、小泉総理来伯、文化祭り、日本文化の影響展など、本年度に行われた全てのイベントがまとめられた約十五分のダイジェスト版。
 午前九時半から、両国歌斉唱後、一分間の先亡者への黙祷が行われた。
 あいさつに立った上原会長は五十年前の文協創立時を振り返り、「日本文化、芸術、日本精神をブラジルに残すという文協の使命は創立の理念に他ならない」とし、「これからも日系社会の心のよりどころとして存在感のある団体でありたい」と締めくくった。
 西林総領事は小泉総理大臣、堀村隆彦大使からの祝辞を代読、自身が参加した文協行事の思い出を語り、「この記念すべき年に立ち会えたのはうれしいこと」とスピーチした。
 二十四人の創立会員、九代会長、十五年以上評議員を務めた二十八人、各委員会で十五年以上活動した二十五人、それぞれの代表者に壇上で感謝状と記念品が手渡された。なお、長年事務局長を務めた故安立仙一氏、九年以上事務局に勤務した職員も顕彰された。
 今年逝去し、日系社会に協力を惜しまなかった小林パウロ、野村丈吾両元連邦下院議員も表彰、ブラジル側の二十二協力団体、海外日系人協会、国際協力機構(JICA)、国際交流基金など日本の十二団体、機関にも感謝状が送られた。
 受賞者を代表し、創立会員の原沢和夫氏(日本語)と山内淳元会長(ポ語)が謝辞を述べた。
 会場を体育館に移し、全受賞者が表彰され、出席者からは大きな拍手が贈られた。
 文協コーラス部が歌声を披露。岩崎前会長の乾杯の音頭に続き、昼食会が華やかな雰囲気のなか行われた。
 創立会員の安田ファビオ氏は「山本さん(初代会長)たちが五十年前、『文協がどうあるべきか』と議論していたのを思い出します」と創立当時を振り返り、「今回ブラジル人の表彰がなかったのは残念」としながらも、半世紀の歴史を噛み締め笑顔を見せていた。
 午後三時からの弓場バレエ団の公演には、約七百人が会場を訪れ、コロニア芸術の粋を堪能していた。