国際人育てる大学を=サンパウロ市の日系男性=3次募集に応募=百周年事業

2006年1月11日(水)

 百周年記念事業案として、新しく「ブラジル国際(日系)大学構想」がサンパウロ市在住の駒形秀雄エリオさんから同祭典協会(上原幸啓理事長)に提案された。これは昨年末まで同祭典協会が行っていた第三次募集に応募されたもの。
 その基本理念は、「ブラジル社会だけでなく、国際社会で通用する立派なブラジル人(日系人含む)を育成したい」ことだと強調する。「両国の国益にあい、日系社会の発展の理念にもかなう」ものとして提案したいという。
 駒形さんは「日伯学園といっても、あまり日本語ばかりに力を入れるのではない」とする。日系人だけの大学にまとまらず、全伯レベルでのエリート校になることを目指す。英語などで講義をし、日伯両国で単位が認められるようにし、両国間の留学を増やすようなものにする。
 経済学部、工学部を設置し、日本や外国の大学と提携して教授陣の充実、研究や交流を積極的に進める。体育の授業では、柔道や剣道など日本的な科目もとりいれる。
 大きな特徴としては、別科を設置し、日本の高校を卒業したデカセギ帰国子弟などに対し、半年程度の適応講座を設け、今大学への進学資格を与えることだ。逆に、日本での就労、就学を希望する子弟に、半年程度の適応講座をする。
 メトロのリベルダーデ駅の近くに数千平米を確保し、十階建て以上のビルとして建設する。「土地は日伯両国の篤志家の提供を仰ぐ」と説明する。土地代をのぞいた建築費は一千万ドルを見込む。〇八年に定礎式ができれば、と考えている。
 すでに記念四事業の一つとして検討が進められている「アルモニア日伯学園構想」や、百周年とは別に検討が進められているブラジル日本語センターの日伯大学構想もある。これらとの兼ね合いや整合性も、祭典協会の今後の課題となりそうだ。