東西南北

2006年1月12日(木)

 保健プランで帝王切開が可能となり、出産の八〇%と世界一高率の同切開手術がブラジルで行われている。三十九週の満を期して出産する自然分娩に較べ、帝王切開は胎児が未熟な三十八週で出産するので生後、呼吸器障害を起こす割合が一二〇%高く、知能障害の危険もあると保健庁(ANS)は産婦に警告している。また切開した跡が、化膿する場合も少なくない。先進国では最後の手段として帝王切開を行うが、ブラジルの妊婦は陣痛を避けるため間違った考えを持っているとANSは憂慮している。
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 マラニョン州サンルイス市の歴史遺産である旧邸宅百六十二戸が老朽化で倒壊の危険にあると市民文化団体が報告した。同市はかつてフランスの植民地で、ルイ十四世を偲び命名した。その香りを留める由緒ある町並みとされる。邸宅の土台は問題ないが、屋根の割れ目から入る雨水が家屋全体にしみ込んでいる。四千六百戸の邸宅は十八世紀、枝木の骨組みに壁土を塗りつけただけの旧式建築方式で建てられ、ユネスコ遺産にも登録されている。
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 サンパウロ市イジェノポリス区ピアウイ通りとイタンベ通り、コンソラッソン通りにはさまれたサンパウロ市の公有地一万六千六百平方メートルは一九五五年、マッケンジー大学へ無料貸与した。借地契約書が〇五年九月満期となり、セーラ市長は契約更新をせず建物付きで売却するという。サンパウロ市は十月から借地料二十四万六千レアルを徴収した。市の不動産評価ではメートル当たり千八百レアル、相場ではイジェノポリスは四千レアル以下とされる。
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 塗装職人のダニエル・A・シウヴァは、バスを襲って乗客から金品を奪った罪で服役していた。同服役者は十二月、ミナス州ラファイエッテ裁判所へ妻への慕情止みがたく帰宅許可を申請したところ許され、早速帰宅した。しかし、男子の本懐が遂げられず酒と麻薬に入り浸った。やっぱり娑婆よりも刑務所のほうが性にあっていると、刑務所へ再度帰還を裁判所へ申請した。