イベントを成功に導くには=桜井さんが「組織講座」=連載(下)=成功のカギ「周到な準備」=式典リハーサルをしよう

2006年2月8日(水)

 ジャパン・エクスポ審査員、日本展示委員会アワード審査委員、ジェトロ見本市、展示会など数多くのイベントを手がけてきた桜井さん。一九六七年、ジェトロに入会し、二〇〇一年には展示事業部長に就任した。チリ大統領から「ベルナルド・オ・ヒギンス勲章・コメンダドール章」、日本展示協会からは人材育成分野で個人表彰されるなど、そのほかにも多くの輝かしい賞を受賞している。以下は去年、開催された日本祭りを例にあげ、改善点を指摘している。
▽フェスティバル・ド・ジャポン
 二〇〇五年度は、会場を州議会の駐車場からイミグランテス展示場(サンパウロ州農務局)に変更し、スペースが約三倍と大幅に拡大したことで多くの変化があった。日産、味の素、東麒麟などの新規出展社が増加したこと、サンパウロ州農務局、エネルギー水資源局などサンパウロ州、市当局が参加するようになり、ブラジル当局から認められるようになったこと、座って食事ができるスペースができたことなどの成功点を挙げる。
 「AUDITORIO TAKAOKA」については、もっと事前広報や当日のセミナー・プログラムの案内看板を上手にやるべき。今年は位置も検討するべきだ」との意見を述べた。また、日本企業を一層勧誘すること、事前広報にもっと力を入れること、プログラムの配布を会場の入口でしっかり行うこと。そのうち、食べ物コーナーとは別に、立派な展示とショーを行った沖縄県が将来のモデルを提供したと評価した。
 二〇〇八年には少なくとも、三十県人会が各県の協力を得て、民芸品、特産品、先端賞品、技術などを出展することも提案している。
 イベントを成功させるための鍵は「周到な準備」だという桜井さん。「失敗する場合、ほとんどが準備不足のケースが多い」。
 前日行うべきこととして、あいさつ来賓者、表彰者の出席確認、各種発注品の納入・納品の確認、舞台関連・備品のセッティング、式典リハーサルなどが挙げられる。
 当日は、担当責任者にしたがい、それぞれの業務確認、最終リハーサルをする。受付担当者は、あいさつ者、来賓の当日出席者リストを指揮官に連絡。指揮官はそれを司会者に教える。指揮官は一定のところに位置し、そこから司会者、受付担当者、連絡係、役員に指示し、全体の式典がスムーズに進めるようにする。
 また、連絡係を二、三人置く。受付と指揮者間の連絡、役員と指揮官との連絡業務を行うためだ。
 協力者をいかに増やすかも重要な点だ。そのためには、できるだけ早い時点から始める、協力・募金ルートを明確にする、個人も参加しやすいようにする、対象を広げる、などの工夫をする。
 今後は、式典を短くするにはどうすればよいか、一般参加者の立場に立って考えるとどうなるのか、もっと映像を効果的に使うにはどうすればよいのか、多くの若者、ブラジル人に参加してもらうにはどうすればよいのか、などの検討事項を課題として提案。「失敗から学ぶことは多い。イベントのあと、しっかり評価してなぜ失敗したのか、次回はどうすれば避けることができるのかを考えること」と語った。(おわり)

■イベントを成功に導くには=桜井さんが「組織講座」=連載(上)=式典は進行表用意を=第三者の進行役を決める