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「日本間」完成=「あけぼのホーム」に=ブラジル三菱商事が資金援助=山形工芸の=斎藤さん無償で仕事

2006年3月22日(水)

 援協傘下の特別養護老人施設「あけぼのホーム」(岸眞一郎ホーム長、野村次郎経営委員長、入所者数四十五人)に日本間(四万レアル相当)が完成し、お年寄りたちを喜ばせている。ブラジル三菱商事(多田稔取締役社長)が資金援助。山形工芸の斉藤宏さん(63、山形県出身)が無償で仕事を請け負ってできたもの。二十日午後、施設でお披露目があった。
 日本間は、七畳半(畳が張られた面積)。このほか床の間などがあり、鶴と亀を描いた掛け軸や日本人形などが飾り付けられている。素材はほとんどがブラジル製。畳表だけを日本から輸入して、レジストロでつくった。この日は記念プラッカも除幕された。
 理学療法室の三分の一を日本間につくり変えた。室内には畳の匂いが立ち込め、入居者らは畳の座り心地を確めるなどして故郷をしのんでいた。
 ブラジル三菱商事は昨年十二月に創立五十周年を迎えた。記念事業として、日本間の設置に一万七千レアルを提供した。残りの分が斉藤さんの協力になる。野村第二経営委員長が人形などを寄贈。菊地第四副会長が仲介役などを務めた。
 挨拶で、多田取締役社長は「日系社会から優秀な人材を提供してもらっています。援協は医療・福祉の中核団体。お年寄りに日本の雰囲気を味わってもらえることができれば。日系社会に感謝を示す絶好の機会だと思っている」と語った。 同社は、スザノ・イペランジャホームが新築した時にも、内装費を援助している。
 斉藤さんは「入居者に喜んでもらえればありがたい。こんなに機会に恵まれるとは、夢にも思わなかった」と顔を綻ばせた。酒井清一援協会長は「立派なイナウグラソンができて幸せ。三菱商事にはスザノなどに協力してもらっており感謝しております」と述べた。

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