東西南北

2006年6月3日(土)

 連邦会計検査院(TCU)は一日、三十カ所の修正後、昨年度の連邦政府収支報告を承認した。文盲撲滅対策費や初等教育費の最低支出ラインを守らなかった点や、公共サービスの改善もなく増税した点、治安対策費の削減をTCUは批判。同報告は議会の承認待ちとなる。
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 PMDBのテメル党首は一日、同党の大統領候補擁立と、ルーラ大統領やアウキミン氏との選挙協力の可能性を否定した。州知事、連邦議員選挙での同党候補当選を優先させたい考えを強調。
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 サンパウロ市東部ベレン区第八十一警察署は一日、同署近くの路上で電話線を切断していた男二人を産業スパイの疑いで現行犯逮捕し、録音装置やカセットテープ、はしごと自動車を押収した。二人は大サンパウロ市圏各市やサンパウロ市東部と西部で数々の盗聴を行っていたという。警察は依頼主を捜査している。
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 サンパウロ州高裁は一日、三十六年前の省令をもとにスザネ被告の裁判のテレビ中継を禁止した。裁判開始宣言と判決文をマスコミが録音することのみ許可。同日、高等裁は被告の弁護士が行った公判(五日に予定)の延期申請を却下した。
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 世界貿易機関(WTO)のドーハ・ラウンド(新多角的貿易交渉)は、ジョゼ・D・バローゾEU委員長をブラジリアに迎え、七月妥結で大詰めに入ったらしい。バローゾEU委員長(50)の父親はリオデジャネイロ市生まれのブラジル人。同委員長は強力なグループを背後に抱え、これからの活躍が期待される人物である。ブラジルが農業補助金の廃止を悲願とするドーハ・ラウンドは、同委員長の腕の見せ所となる。