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マリンガに日本公園=加古川市が協力=設計完成=庭園、劇場、イベントエリア=利用は日系にこだわらず

2006年6月29日(木)

 【既報関連】パラナ州における日本移民百周年二大プロジェクトの一つとして、マリンガ市に日本公園を建設する計画が着実に進んでいる。このほど、姉妹提携都市である兵庫県加古川市の協力のもと、公園の詳細な設計図が完成し、計画の全容が発表された。中心で舵をとるシルビオ・バーロス・マリンガ市長、ジャパン・パークの向井春雄クラウジオ理事長、富居クリスチーナ・プロジェクト・マネージャーらに話を聞いた。
 日本公園はマリンガ市内南西にある土地、八万四千五百十平米、二万五千五百十三坪に建設する。計画は昨年始まった。八月に加古川市から助役が来伯して、公園建設への協力を約束。その後マリンガ市が土地の地図や概要を送ると、加古川市がボランティアを集って公園の設計を行った。
 造園協会に加盟している企業や市職員が協力して、仕事の時間外に集まり日本公園の模型を作成。今年一月、マリンガ市にその全容が届いた。
 マリンガ市役所では専門の職員を雇い率先して計画を推進してきた。既に、公園の運営および維持管理のために公益民間団体(OSCIP)「ジャパン・パーク―移民百年記念祭」が発足し、市制五十九周年を記念して五月十日、定礎式が行われている。
 建設計画は三つの区域に分けられる。最も広大な面積を占めるのが日本庭園。約五万二千平米の中に、桜広場、池と浮島、石庭、茶室、観月台やレストランが造られる。庭園内には約一キロの園路があり、散策を楽しめる。
 来月にはJICAの支援により日本から造園師がシニアボランティアとして来伯。二年間マリンガに滞在し庭園建設に携わることになる。
 庭園の横には劇場を含んだ文化センターを建設。センターは千五百人を収容できる規模で、五百六十人が入る劇場はオーケストラボックスも備える。
 また、イベントエリアには四つに区切ることのできる大広間と四つの教室を造る。「平日は生け花や折り紙、陶芸、墨絵などの日本文化を市民に教える場にしたい」と向井理事長は話す。駐車場はテントを取り付けられるように設計し、屋外イベントにも対応する考えだ。
 「センターの利用は日本文化に限らずに、ブラジルや他の文化の普及にも役立てたい」という。加古川、マリンガ両市の技師が共同し、同センターはブラジル国文化省からの協力も取り付け済みだ。
 そして体育館。「文化だけでなくスポーツの輪も広げたい」。ブラジル南部柔道優秀センターとしてスポーツ省からの認定を得ている。向井理事長は「大会だけでなく、近辺の子供たちを集めて行事を行い、スポーツを通じた交流を深めたい」と、「どの場所も日系に限らない一般の市民に、大いに使ってもらう」ことを目標にしている。
 公園内には高さ九メートルの記念塔の建設も予定している。御影石を使い、日本とブラジルの地図を入れた鋼球を掲げる。先端にはジャパン・パークのシンボルである三匹の鯉のぼりがつけられる。「鯉のぼりは家族のシンボルとして、父の強さや母の愛情の意味を込めてます」と富居マネージャー。塔の側面や周辺のレンガには寄付金参加者の名前が記される。
 市長の提案から始まった建設計画。バーロス市長は「この計画は、日系コロニアがブラジルでこれまでしてきた貢献に対しての敬意です」とその思いを話す。自身が柔道をした経験を持ち、年少のころから日本文化と接してきた。「ずっと日伯交流に役立ちたいと考えていた」という。そして「この企画は観光など、経済的にも効果があると思う」と話し、計画推進に意欲を見せていた。

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