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温かい歓迎に涙=後藤参議、3度目の来伯=議員連盟の報告、選挙手続き説明=多忙な中、今後に意欲見せる

2006年7月18日付け

 ブラジルへの移住経験を持つ、後藤博子参議院議員(日伯議員連盟事務局次長、大分県選出)が連盟を代表して、十四日に来伯。商工会議所、文協、援協、県連を視察し、ニッケイ・パラセ・ホテルでの来伯歓迎会に出席した。歓迎会には日系団体を代表して百人を越える人たちが出席。井上裕美さんのショーもあり、後藤議員は日系社会からの温かい歓迎に涙を流して喜んだ。
 三度目となる今回の来伯目的は三つ。文協が主催する日本祭りへの参加、議員連盟幹部の交替の報告と同連盟を代表しての百周年に向けた交流。そして、在外選挙制度が改正されたことを受けて、登録など手続きの呼びかけを行うこと。
 参議は「百周年は節目の年。これまでは移住、戦争と苦しい百年だった。一世の高齢化もあるが(日本とブラジルは)環境やエネルギーのことも含めて本当に遠くて近い国になってきた。これから日系社会が日伯関係にどうつながっていくのかを考えたい」と話し、「日本と第二の故郷であるブラジルのために、議員としての役目を果たしていきたい」と意気込みを語った。
 デカセギやその子弟教育問題については、「日本においても、ブラジルに帰ってきても生活ができるよう、子供たちの将来のために真剣に取り組んでいきたい」と関心を示し、「日本政府がこれからやろうとしていることは『入国の枠を縮めること』。それでは根本的な解決にはならない」と、訪伯中にブラジル政府関係者の考え方も聞きたいという。
 後藤参議から百周年のプロジェクトに対して提案はないのかという質問に「今、日系の方々が頑張っている。まずはそれを見守りたい。日本とブラジルの架け橋となりたいので、逆に私に提案してもらえたらしっかり働いていきたい」と話した。日系団体を廻ったが、「百周年に関して日本政府に何かを要請するという話はありませんでした。まだ具体的なことは出てきていないという印象でした」と感想を述べた。
 歓迎会で西林万寿夫在サンパウロ総領事や上原幸啓文協会長、松尾治県連会長らが挨拶。永松通一大分県人会会長が乾杯の音頭をとった。途中、後藤参議が井上さんとデュエットする場面もあり、終始和やかな談笑が続いた。
 「これまでの支援へのお礼とお願いのためにやってきました」と後藤参議。今年五月、郵政民営化政策に反対して自民党を離党した経緯を説明。「地球の反対側から多くの人の嘆願書が届いた」喜びを涙ながらに話し、来年の選挙に向けての「変わらぬ支援」を訴えた。
 離党後、国民新党、新党日本の議員らと共に会派を形成。「議員として政府に対し代表質問を行っていきたい」とし、来年の選挙にどのような形で出馬するかは帰国後に公表するという。
 参議は十五日に日本祭りの開会式に出席。十六日にはパラグアイのイグアスー移住地を訪れ、懇親会に参加した。十八日にはサンパウロ市内でデカセギ関係者と懇談し、翌十九日にはマナウス移住地を訪れ、二十一日に帰国の途につく。

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