中出那智子さん健在=東京から個展開催の便り

2006年8月1日付け

 画家の中出那智子さん、健在である。このほど、本紙あて、八月十六日から二十二日まで、東京伊勢丹新宿店五階のアートギャラリーで、油絵個展を開催する、と伝えてきた。
 これまで主にブラジル、特にバイア州の女性やヨーロッパの風景を紹介してきたが、今回は「地中海の陽光マルタ島に魅せられて――中出那智子油絵展」と題して、主としてマルタ島で取材した作品三十点を展示するという。中出さんによれば、マルタ島の中世の面影が残る町角、鮮やかな色彩の船が浮かぶ漁港など、アフリカが近いせいか、新鮮な驚きを感じて描いた。
 会期中は、ブラジル滞在経験のある企業の人たちが多数来場して賑わうといっている。
 中出さんは、六六年渡伯、コロニア美術界で活躍した。故人の夫・良一さんが音楽活動のためイタリアへ移住するのを機に同行、離伯。現在日本で絵画活動を行っている。八五年伊勢丹新宿店で第一回展を開催、今回は十九回目。故宮本三郎に師事、五六年二紀展に初入選、九一年日本女流美術大賞受賞。