子供たちに新しい教室を=草の根無償資金で完成=バストス

2006年8月1日付け

 日本政府の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」により建設が進められていた「バストス児童支援協会」(ABAI、豊島重幸会長)の教育施設がこのたび完成し、その供与式が二十一日午前十一時から、バストス市の同協会で行われた。
 式典には、豊島会長をはじめ、大野悟朗バストス日系文化体育協会長、ナタリーノ・シャーガス市長、市議ほか、西林万寿夫サンパウロ総領事や野末雅彦JICAサンパウロ支所次長など日本政府機関関係者も出席した。
 同協会は一九七五年に設立された非営利団体で、共働き家庭の幼児・児童、約二百十人を対象に保育、教育などを無料で実施しているが、建物は築七十年が経過しており、雨漏りや天井のたわみなどが発生していた。この新築費用として、総額二十万三千レアルの草の根資金協力が実施された。
 供与式で豊島会長は、資金協力を受けた経緯を説明するとともに、「私たちのこれからの活動を心配してくれる方がいることが嬉しい」と日本政府の協力に感謝した。
 新しい教育施設が完成し、式典に参加した児童、レナート・ドス・サントス・ガルシーラ(9)さんの母親、クリスチアーニ・ドス・サントスさんは「綺麗な施設に子供を預けられるのはやっぱり安心します」と話していた。
 西林総領事は「昨年(十月末)の贈与契約の署名式で市長と副市長(豊島ABAI会長)がバストスの卵祭りに間に合わせたいと話していました。こんなに早く立派な施設ができて大変嬉しく思います」と感想を話した。