ブラジルは投資に値する国=ブラジル三菱に佐々木新社長着任

2006年8月12日付け

 ブラジル三菱商事株式会社でこのほど、今年四月に帰国した多田稔前社長の後任として佐々木修新社長(54、東京都)が着任した。
 佐々木新社長は東京都出身で、現在五十四歳。製鉄、機械部門を中心に、これまでスペインや南北アメリカなどで勤務してきた。
 ブラジルの現状について「(為替や金利などの)不安定要因は今までほどではない。ブラジル経済のベースが上がってきているということ。政治面でも今後大きく振れることはないのではないか」と話す佐々木社長。「ブラジルは投資に値する国ととらえていいと思う」と語る。
 ブラジルの前はチリのサンチャゴに五年勤務。ラテン・南米諸国との関わりは二十年におよぶという。佐々木社長は「金属資源や食料など、ブラジルにはいろいろな資源がある。Bricsのひとつであり、社としても注目しているマーケット。日本からブラジルへの投資を増やし、本当の意味でのビジネス基盤を作りたい」と抱負を語った。
 先月まとめられた日伯二十一世紀協議会の最終提言では、日伯EPA(経済連携協定)締結の検討促進をはじめ、経済、産業分野でも幅広い提言がされている。多田氏の帰国後、ブラジル社長を兼務してきた工藤章・三菱商事中南米代表は、「経済やビジネス展開において政府の関係が強まることは大きな要素。二〇〇八年は良い機会。期待したい」と語る。佐々木社長も「工藤代表とブラジル事情を発信していきたい」と話していた。