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ニッケイ新聞 2006年8月15日付け

 今日は終戦記念日。本紙投稿欄「ぷらっさ」で戦争体験にちなんだエッセイを公募したところ、予想外の寄稿があった。戦後六十一年。日本でも戦争体験を口承や文章で残そうという取り組みが多く行われている。コロニアとしては、これに移民体験も加わるだろう。ブラジルには、この世に生まれたものの使命として「木を植え、子供を産み、本(記録)を残す」という言葉があるらしい。是非残してほしい。
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 『渡伯同胞送別の歌』が話題になっている。週末の老人クラブ大会でも歌われた。戦後移民はこの歌には鼓舞されなかった。その代わりではないが、戦時中の『学童疎開の歌』を思い出し、歌詞と曲をほしがっている人がいる。七十二歳の山代純雄さん(電話9345・1890)。「太郎は父の故郷へ 花子は母の故郷へ」という歌い出しだ。苦しかったこと、嫌だったことも、月日が経てば懐かしい思い出にかわることもある。歌を憶えている人は、山代さんと六十数年前を懐かしみますか。
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 お盆の日本で、ブラジル人が犠牲になる水難事故があいついだ。日本の新聞の報道によれば、十三日正午ごろ、茨城県の海岸で三人のブラジル人男性が高波にさらわれ、前橋市在住の十九歳の少年が死亡。遊泳禁止場所だった。また、愛知県の海岸でも、ほぼ同じ時刻に四十九歳の男性が浅瀬で倒れているのを発見。のち水死を確認。十四日の早朝には同じく愛知県の海岸で五十八歳の派遣会社員の水死が確認された。

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