「オレ達も来る」=ブラジル球児甲子園観戦

2006年8月22日付け

 【朝日新聞】世界少年野球大会に参加するために来日したブラジル代表チームの日系人少年二人が十三日夕、甲子園(全国高校野球選手権大会)観戦をした。二人はチームの中心選手。ブラジルでも「Koshien」は高校野球の晴れ舞台として、野球少年のあこがれの的だ。
 「ブラジルの球場にはこんなにサポーターはいない」「曽祖父の故郷、沖縄のチーム(八重山商工)への応援はすごい」。遊撃手のペードロ・イボ・オクダ・シルバ君(16)と、投手のロージニ・テツイ・ウエハラ君(15)にとって、球場の雰囲気は驚きの連続だった。
 二人はブラジル代表メンバー。世界十六チームの中学生らが参加して十日から大阪市などで開かれた世界大会に参加。十三日の決勝では、延長の末、日本代表に敗れた。
 〇五年春の選抜大会。ブラジル留学生の片山マウリシオ君らの活躍で、羽黒(山形)が4強に進出した。地球の反対側でテレビを見ていたシルバ君は「絶対ここで野球をやりたい。両親も日本へ行くことを応援してくれる」と決意した。
 日本移民は一九〇八年、ブラジルに渡った。厳しい生活を強いられる中、サンパウロ市での日本人青年会設立に合わせて、初めて野球の試合が催された。その後、日本人学校で野球が普及し、六九年には日本の高校球児がブラジルを初訪問。日本との野球交流が続いている。
 ブラジル野球連盟日本事務局長の曽川博さん(38)は「野球は日本人がブラジルに持ち込んだ。その野球が日本で通用することが、年配の日系人にはうれしい」。
 ウエハラ君は「球場を見て、ここでプレーしたい気持ちが強くなった。来年は日本の高校で野球をしたい」と話した。