会場いっぱい彩り豊かな花々=盛り上がっているアチバイア=主催者、若者の考え方取り入れ=楽しめる〃日本の祭り〃

2006年9月20日付け

 会場中を飾る彩り豊かなの花の列と、甘い匂いの苺――アチバイアで開催中の「花と苺の祭典」(アチバイア・オルトランジア協会=平中信行会長=、同市共催)は、開始日の七日から七日間で来場者約七万人を数え、順調な盛り上がりを見せている。十八日は一日でバス二百台以上が会場に押し寄せた。天候にも恵まれて、訪れた参加者はお馴染みの「菊人形」や舞台上での民族舞踊、太鼓、盆踊りなどを楽しみ、苺を使った数々のデザートを堪能している。平中さんは「非常に順調です。日曜日には団体のバスが来るので会場がいっぱいになります」と成功を喜び、比較的すいている金曜日の来場を薦めた。「花と苺祭典」は、引続き二十二日から二十四日にかけて開催される。
 「今年初めて来ましたが本当にきれいですね~」と、アチバイアに住んでいる松永まゆみさん(71歳)は、手に土産を握りしめて話した。
 会場となったエドゥムンド・ザノニ市立公園の数個のドームには、服やカバン、小物の販売店、苺をのせた様々なデザート、やきそばや天ぷら、餃子などの飲食店がずらりと並んだ。歩道脇の木々の間には花が植えられて、行き交う人々の目を引き、ところ狭しと鉢が並んだ花の即売所では、たくさんの鉢をカートに積んだ来場者がレジの前に列を作った。
 今年のテーマは「自然保護」。約千四百平方メートルの敷地を持つメインドームの中心に大きな桜の木が設けられ、「本来あるべき自然の姿」を再現した。
 七月から二カ月かけて製作された風景には、五百から七百種ほどの花が使用されたという。船に乗った菊人形、五重塔、朱色の屋敷などの日本の風景。岩肌を流れる滝を蘭が飾り、海上に架けられた日本橋の上から桜を見上げる来場者の姿が見られた。
 ステージ前の広場には櫓が立ち、福島県人会の青年らが太鼓を叩いて、名物の盆踊りを披露。
 また、アチバイア文協日本語学校が、名前をしおりにカタカナで書くパフォーマンスで人々の足を止め、川筋清流太鼓の青年らが折り紙の指導をして日本文化の普及に活躍した。
 「自分も参加しているという意識を、将来祭りを担っていく子どもたちに持ってもらうことが大事」と、日本語学校責任者の青山さんは話す。
 約一千人の働き手が協力して開催されている「花と苺の祭典」。グァタパラから訪れた新田孝二さんは「日本人の祭りに、と思って来た」と話し、祭りの盛り上がりを楽しみながら土産の買物を急いだ。
 「若い人を取り入れて、広報の仕方を新聞やテレビに限らず幅広く行ったことで、今年は非常にいい祭りになっている」と平中さん。華やかな雰囲気の祭典は、三日間の開催を残している。
 午前九時から午後六時まで。入場料は一般十四レアル(六十歳以上と学生証提示で七レアル)。金曜割引六レアル。保護者付き十歳以下の子どもは無料。
 会場住所=オラシオ・ネット通り1030。連絡先=0800・555・979/11・4412・9581/11・4412・5979。ホームページ=www.festadasfloresdeatibaia.com.br。