祭り成功=「丸焼き肉」も「太鼓」も人気=「こどものその」入場者新記録=ロータリー、大車輪の協力

2006年9月22日付け

 「こどもたちの太鼓、本当にすばらしい」。涙目でマリエラ・カウバさん(61、イタケーラ在住)は、「こどものその」の指導員に駆け寄り、感動を告げた――社会福祉法人こどものその(岡本正雄理事長)は、「第五回牛の丸焼き祭り」を十七日、同園で開催。牛三頭、豚三匹を丸焼きにし、会場は肉の焼ける香ばしい匂いで包まれていた。参加は約千五百人。場内には食べ物を取るための行列がいくつもでき、盆踊りや園生による太鼓が披露され、平田ジョーさんのショーで席を立ち、手拍子で盛り上がった。岡本理事長は「こんなに人が来たのは今年が初めて」と成功を喜んでいた。
 前日の夜八時ごろから焼き始めたという丸焼き。祭り開始から一時間ほどで牛一頭、豚一匹が骨だけになり、午後三時過ぎには全ての丸焼きがたいらげられた。用意された椅子と机は人で埋まり、同園の理事会、父兄、共催のロータリークラブメンバーが忙しそうに動いている一方、広い園内の芝生では子どもたちが元気に走り回る姿があった。
 開会式に東ルイス氏、野末雅彦JICAサンパウロ支所次長、杓田美代子文協副会長らが出席。清原ケンジ実行委員長が来場者に感謝の意を述べた。
 ビンゴ、リベルダーデ東洋会による盆踊りが行われた後には、園生による太鼓の披露。色とりどりのハッピを着て、頭には鉢巻。演奏が始まると舞台の周りには何重にもなる人垣ができた。
 二グループに分かれての演奏。以前、JICAシニアボランティアが指導に来ていたころには園生全員が参加していたが、現在の叩き手は三十人前後だ。
 「一生懸命太鼓を叩く姿、本当に感動です」と初めてこどものそのを訪れたというマリエラさんは目に涙を浮かべた。息子家族や孫と一緒に参加した。「十二月の学芸祭にも、ぜひまた来たい」と話していた。
 これまでになく大盛況となった今年の祭り。毎年四月に行われていたが、今年は九月に変更された。岡本さんは「今年はロータリークラブから応援をいただきました。そのおかげで、広くチケットを売ってもらえたのではないかと思います」と理由を説明し、「大成功ですよ」と満面の笑顔を見せていた。
 なお、熊本県人会セアザ支部は、同祭りのためにサラダに使われる野菜を寄付している。