大耳小耳

2006年11月14日付け

 日本人入植九十周年を盛大に祝ったリンス慈善文化体育協会はこのほど、記念誌を刊行した。表紙は日系美術界を代表する間部学画伯が描いたリンスの一風景。日本語だけで書かれた入植七〇周年史の内容をポ語に翻訳し直し、それに残りの二十年間の歴史が加えられている。関係者によればポ語をメインにしたのは「三世、四世への配慮」とのこと。どの移住地でも世代交代は大きな課題。言葉は変われど、次世代の若者が先人の苦労を知り、日本の文化と心を継承していってほしいというのはここでも同じようだ。
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 日本の外務省関係者は「箱モノは難しい」と何度も明言している。今回の松尾執行委員長の軌道修正は、それを反映したものだ。もし、箱モノ建設構想を進めるのなら、その発案団体が主体的に集金活動する必要が出てくる。百周年協会に資金の全額を頼る計画を立てていた場合、打撃は大きい。独自に日本に行って政治家にお願いし、大企業に頼み込んで数億円もの資金を捻出してもらわなければならないからだ。大物政治家や大企業幹部などは会うだけでも大変。まして何度も日本に通ってとなると…。