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日伯を結んだ半世紀=日伯文化連盟=市議会で50周年式典=節目の年に校舎を新築

2006年11月22日付け

 日本文化のブラジル社会への普及に尽力してきた日伯文化連盟(アリアンサ、Alianca Cultural Brasil-Japao、槇尾照夫会長)が十七日、創立五十周年を祝した記念式典をサンパウロ市議会で開催した。一九五六年の発足から現在まで、日本語や外国人のためのポルトガル語、折り紙や切り絵、生け花などさまざまな講座を実施してきた同連盟。式典にはクラウジオ・レンボサンパウロ州知事も出席し、半世紀の歩みを祝福した。同連盟ではまた、節目の年にあわせてピニェイロスに校舎を新築。すでに使用がはじまっている。
 ブラジルを代表する詩人の一人、ギリェルメ・アウメイダを初代会長として発足したアリアンサ。現在は、日本語・外国人用ポルトガル語の語学講座や、折り紙・切り絵・生け花・絵画・マンガ・書道・和紙絵・ラッピングのなどの文化講座ほか、日本政府認定日本語能力検定試験も実施。サンパウロ市では文協を始め、ヴェルゲイロ、ピニェイロスなどに学校を持ち約一千四百人の生徒が所属している。
 式典に出席したクラウジオ・レンボ州知事は、「第二次世界大戦時、日本移民とブラジルが直面した問題は色々あったが、現在は、見事克服できたと思う」と話し、多文化維持の重要性を強調した。
 二〇〇三年からアリアンサの会長を務める槇尾氏は、「会員の協力のおかげで、アリアンサは何一つ問題も無く運営できています。今まで出来るだけのことはやってきたつもりですが今後も、今以上に発展できるように改善してゆきたい」と今後の抱負を述べた。
 式典には、楠彰在サンパウロ総領事館領事ほか、アリアンサ前会長の上原幸啓文協会長、酒井清一援協会長が来賓として出席した。

ピニェイロスに新校舎

 半世紀の節目の年にアリアンサでは、築七十年のピニェイロス校敷地に新校舎を建てる計画を進めてきた。
 これまで使用してきた旧校舎は窓も少なく暗い教室で、雨漏りや壁が剥がれ落ちるなど多くの問題を抱えていた。
 槇尾会長によれば、このたびの校舎新築はアリアンサの創立五十周年が理由ではなく、あくまでも「必要に迫られていた」ため。「生徒が勉強するには十分な状態ではなかった。まるでお化け屋敷のようだった」と話す。
 新校舎は、旧校舎の裏の敷地を利用し今年の一月から建設を進めてきた。ピニェイロス地区を通る地下鉄四号線の建設を見すえ、交通の便が改善されることを視野に入れた計画だった。
 校舎は二階建て。日本語授業用の九教室のほかに、読書の場と陶芸(火・土)や折り紙(水・土)、生け花(火・土)、マンガ(水・金)、絵画(水)、和紙絵(火)の文化講座のために芸術室が二つ設置されている。
 三月には教室を開放し、新校舎は、ほぼ完成に近い状態。現時点で残っている課題は〃旧校舎の取り壊し〃。同跡地には駐車場を設備する予定だ。
 同校の生徒は現在、百三十人。槇尾会長は「〃お化け屋敷〃が取り壊されて交通便も良くなれば、生徒数も増えていくだろう」とアリアンサのさらなる発展に期待を表わした。

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