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USPの建築、芸術学部が推進=〃ゴミ〃再利用、舞台衣装にも=熱心に日系学生ら=廃品回収者支援にもなる

2006年12月1日付け

 サンパウロ大学都市建築学部と芸術・報道学部演劇科では、都内で集められた〃ゴミ〃を再利用しようという試みが行われている。都市建築学部学生は、回収されたガラスや鉄くず、カンなどから実用可能な椅子やタイルを考案して、コレクター(回収者)の人権保護、恵まれない経済状況の支援を訴え、芸術・報道学部では、日本の伝統芸能「能」のコンセプトをもとにした舞台衣装を、リサイクル品から作リ出している。作品の展示会が四日午後二時から、「紙およびリサイクル資材の自立回収者組合(COPAMARE)」の倉庫で開催される。これらの作品は、十四、十五の両日、東京で開かれる「サステイナブルデザイン国際会議」で発表される予定だ。
 「現代的な問題だし、誰もが考えていること」。都市建築学部に所属し、リサイクルプロジェクトに参加しているフラビア・スエミ・シウヴェイラさんは参加理由をそう答えた。
 都市建築学部マリア・セシリア助教授は「現在の生活を維持していくためには環境問題に取り組まなければならない。デザインも材料から考えていくことが必要」と活動の意義を説明する。何ごとにも、長期にわたり維持、継続が可能であること(サステイナビリティ)が求められているという。
 セシリア助教授のクラスには多くの日系学生が参加している。アナ・パウラ・ユミ・ネモトさんとイレイン・ササミ・イマクマさんは、児童向けのリサイクル啓発画像を作成した。ケンタロー・マツウラ・ソクラテスさんは、日本での作品発表に向け翻訳作業に活躍している。
 「〃ゴミ〃に価値を与える。コレクターたちは町を綺麗にしてくれる存在。彼らの活動を支援し、地域との共生や人間としての尊厳の問題に取り組んでいきたい」。
 作品は、ガラスとセメントを材料にしたタイル、ペットボトルから作った浮き輪など「リサイクルを利用し、いかに実用性があるものを生み出すか」が主題となっていた。
 また、芸術・報道学部演劇科では、三島由紀夫が表現した「能」を基礎にして、リサイクル品から劇場衣装を作成。展示を行っている。
 「私たちは日本人ではないから、日本のものを完全にコピーすることはできない。日本らしさを強調するのではなく、観念的なところで能を取り入れて、各自の感覚で再現した」と、同学部ファウスト・ビアナ教授は話した。
 東京芸術大学と提携し、今回の作品の写真と、ブラジルカーニバルの資料を送った。来年には、カーニバルをコンセプトにした作品が作成され、日本から紹介される予定だ。
 コーヒーの使用済みフィルター、ペットボトル、古新聞などを用いて、独自の発想から能を表現した、色とりどりの作品が、並べられた。
 日本での国際会議には、六カ国から環境建築の専門家や企業家、デザイナーらが集い、デザイン専門領域が持つ構想力や表現力を最大限活用して、望まれるエコが議論される。
 展示会住所=Rua Galeano de Almeida 659, Pinheiros-SP。午後二時~五時ごろまで。

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