千葉県人会=会館建設を県民運動に=50周年事業、母県で協賛会=原島会長訪日して協力要請

2006年12月12日付け

 【既報関連】会館建設に向けて、着々と日本側での準備が進行中――千葉県人会(原島義弘会長)は、来年の県人会創立五十周年記念事業として念願の会館建設を計画、七月に母県で設立された「ブラジル千葉県人会設立五十周年記念事業協賛会」が実質的な活動を始めている。このほど、訪日した原島会長は、協賛会に参加している主要団体を廻って、会館建設への思いを語った。そして、ブラジル側での一層の盛り上げ活動に意欲を示している。
 同協賛会は、特別顧問に堂本暁子千葉県知事、市長会や町村会の会長らを迎え、代表として、同県議会ブラジル友好議員連盟会長の八代俊彦議員、ブラジル移住家族会の遠藤章代表、九つの県経済関係団体が名を連ねる。
 県人会館建設に関して従来は、県庁が一括して建設資金を支援する方法が一般的だったが、千葉県では、県が音頭を取って協賛会を設立し、県民運動として広く世間から資金を募集して集める方法となった。
 原島会長も「最近は県の財政も厳しくなりました。お金をもらうには皆の理解を得ていくことが大事です」と話す。
 現在、県内各地で県が主催して、ブラジル移民の歴史を紹介する写真展を開催している。A3サイズの写真二十点が飾られ、移住船を下船した場面、移住者の家、入植の第一歩、コーヒーの収穫などの風景が紹介されている。
 展示会の様子は、地元紙の千葉日報や房日新聞が取り上げた。千葉日報は「交流拠点の現地会館建設」、房日新聞は「苦闘の半世紀語る」として、県人会や会館建設、協賛会の活動を綴っている。
 また、十日には「ブラジル移民史」と題された特別公開講座が大学で開催される予定で、県庁の国際政策グループが窓口となって参加者の募集を行っている。
 十月末から一カ月間訪日した原島会長は、協賛会の全加盟団体を訪れ、協力への挨拶をおこない、来年八月二十六日に開催を予定している県人会創立五十周年記念式典の招待状を手渡した。
 「『何でいまさら移民にお金を出すのか』なんて言われないように、ひとつの県民運動として募金活動を盛り上げ、皆(市民)に理解してもらいたい」と原島会長。
 訪日の様子は、毎日新聞が二度にわたって掲載。千葉テレビが、原島会長が友好議員連盟を表敬訪問したことを取り上げて、「国内での交流活動の拠点」「移民の歴史や記録を残し、日本文化の継承のために」と会館建設の必要性と紹介した。
 昨年六月に、地下鉄ジャバクアラ駅近くに土地を購入し、独自の事務所を手に入れた同県人会。原島会長は「やっと、県人会で活動するということに、県人らで集まるという認識ができてきたというところ」。これからは、千葉とブラジルで事業を行っているブラジル進出企業に協力を呼びかけるとともに、ブラジルでの盛り上げ活動にも一層力を入れていく意気込みを見せた。