句集に愛息の名前=小斎さん『太郎』出版

2006年12月12日付け

 小斎棹子(こさいさおこ、北海道出身)さんの句集『太郎』(B6版、二百十ページ、約三百七十句収録)が、このほど発行された。発行所は日毎叢書企画出版。小斎さんの作句歴は三十二年。三十歳代の後半に俳句に出会った。日本への絶ち難い思いも、日々の憂いも詠むことで癒され、詠む生活、詠むことを必要とする生活に変わってきたといっている。
 句集の名は、一人息子の名。小斎さんは「私が去ったあと、読み書きの苦手な太郎から消え去るはずのない『太郎』とした」とあとがきに書いた。また序文で、現在の師、星野瞳さんが「句集の名は『太郎』。著者には《ひとり子は太郎と云う名桃の花》の一句があるが、すべての愛をこめたひとり子のような句集にしたいという思いをこめた句集ではないかと思う」と、少し風変わりな命名を推察した。
 小斎さんの一人息子に関するもう一句「子の部屋に寝息の満つる帰省かな」。