産業界は投資拡大へ=消費と景気刺激策に期待

2007年1月1日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二月三日】二〇〇六年度のGDP成長が低率に終わり、政府が期待した高度成長が達成できなかったにもかかわらず、産業界はこれにもめげず、〇七年度に向けて投資を拡大して生産を向上する意向を示している。
 銀行業務集中サービス(SERASA)が全国の異なる部門の一〇三二社を対象に調査(ミクロ企業は含まず)したもので、このうち五二%はすでに〇六年から投資を始めており、六三%は〇七年も引き続き、あるいは新規投資の計画があると答えた。〇六年に投資に手付かずだった四二%の企業でも半数は〇七年に実施するとの意気込みを見せた。
 SERASAのアナリストによると、金利が引き下げ傾向を見せていること、クレジットの拡大で消費が伸びていること、借金不払いが減少していること、不況といいながらも売上げが確実に伸長していることなどが、企業を駆り立てる原因となっていると指摘する。
 また今回の調査は十月三十日から十一月八日までの期間に行われたことから、すでにルーラ政権の続投が決まっていた。このため企業筋は、ルーラ政権二期目で何らかの経済成長政策が取られるものと期待感が表われているとの見方をしている。
 部門別では金融界が最も積極的で八四%が〇七年度の投資拡大を表明した。〇六年に実行した企業でも、その六三%は引き続き新年の投資を企画中だという。次いでサービス部門が六五%、商業部門が六一%で、工業部門は五九%でドン尻に控えた。工業部門は為替相場や国内需要が不透明なことから、様子見の企業が多い。
 地域別では北部を対象とした投資が七〇%と最も多く、次いで北東部の六七%でこの両地区が脚光を浴びたのは稀有の出来事で注目されている。
 この原因は消費経済の急成長ぶりで、ブラジル地理統計院(IBGE)のデータによると、〇六年九月までの過去十二カ月間で商店の売上げは、それぞれ一六・八%、一四・二%の増加となった。この背景には最低賃金の引き上げと貧困家庭手当(ボルサ・ファミリア)の普及が挙げられている。