友好病院、「得意分野」確立を=富山医大・金沢医大と提携へ=糖尿病、心筋梗塞で先端医療技術導入=医師派日、リーダー育成研修

2007年1月6日付け

 サンパウロ日伯援護協会(酒井清一会長)経営の日伯友好病院は現在、日本の国立富山医科大学と金沢医科大学と提携し、先端医療技術の交流をおこなう計画を進めている。同計画は、糖尿病分野と狭心症・心筋梗塞分野の先端医療技術の導入を望む援協関係者が昨年初旬、日本側の病院関係者に協力を打診したのがきっかけ。それを受けて昨年十月、山本恵一富山医科大学名誉教授が正式に提携交流を提案し、始まった。
 ブラジルでは食生活などが影響して糖尿病や狭心症、心筋梗塞の患者が多い。友好病院でも同症状を抱える患者は増加中で、今後は病院の得意分野として両分野の治療の確立を目指していく。
 日本側の病院によれば、まずは医療実績がはやく出る心臓外科分野の技術支援をすすめるという。医療結果に年単位の時間を要する糖尿病分野においては、随時支援をおこなっていく運びになる。
 具体的な最先端医療としては、心臓が鼓動していても完全内視鏡下でバイパス手術をおこなう技術などが紹介される。
 内容が固まり次第、友好病院の心臓分野関係の医師を一人、金沢大学心肺総合外科に派遣し、将来のリーダー育成を目的に二カ月間の研修を実施する。研修費用はすべて日本側で負担する好待遇になっている。
 来月初旬に一週間、日本側からプロジェクト事前調査のため金沢大学心肺総合外科の助教授が二人、調査団として派遣される予定で、友好病院の関係者との間で具体的な打ち合わせがおこなわれる。
 友好病院の経営を担当する菊地義治副会長は「病院はそれぞれで得意分野を確立しないと生き残っていけない時代にある。ブラジル社会のニーズに応え、友好病院を発展させていくためにも、今回の技術交流は良い機会」と話している。