変わる?デカセギ送金事情=バネスパ・イタウー業務提携

2007年1月6日付け

 二日付けエスタード・デ・サンパウロ紙によれば、昨年末、サンタンデル・バネスパ銀行とイタウー銀行は、日本国内の預金および母国送金業務をイタウー銀行に委託する契約を結んだ。
 同紙の報道によれば、三十万人といわれる在日ブラジル人社会の年間経済活動は約百二十億ドル。そのうち母国への送金額は約二割の二十五億ドルで、十五億ドルが投資。残りの約八十億ドルは日本国内で消費されているという。日本への定住が進むにつれ、当初の主な目的だった在日ブラジル人の母国送金事情が変わりつつあることを表わしているのかもしれない。
 今回の預金・送金業務委託は、ブラジルをはじめ、南北アメリカ、ヨーロッパ各国に支店を構えるサンタンデル・バネスパ銀行が他国の支店と同様にブラジル国内業務を中心にする方針に沿って行われたもの。昨年十月から交渉が始まり、十二月十九日に正式に契約が結ばれた。
 イタウー銀行は、二〇〇四年に日本へ進出。今回の提携により、両行の口座を持つ在日ブラジル人は全体の八%、一万六千人から四万人に増加。エ紙の報道によれば、イタウー銀行国際部のパウロ・ソアーレス部長は、委託決定後、両銀行の口座を持つ在日ブラジル人の本国送金額は二億二千万ドル、預金総額は一億三千五百万ドルへ上昇すると述べている。
 また、委託後はバネスパ銀行の顧客もインターネット上での取引を可能になるほか、年中無休コールセンターのサービス業務も二十四時間受けられるようになる。
 日本国内では最初に進出したブラジル銀行、バンコAMROのほか、ブラデスコも〇四年からUFJ銀行と提携を交わし、同行を通して在日ブラジル人の母国送金業務を行っている。