18日に日本側実行委設立へ=百周年=麻生外務大臣も出席予定=2衆議来伯、関係者と懇談=日伯議連に小委員会も=「成功に向け手伝いたい」

2007年1月9日付け

 いよいよ日本側が始動する。日本側の日伯交流年(百周年)実行委員会の設立総会が今月十八日に外務省で行われ、麻生太郎外務大臣(日伯議員連盟会長)も出席する予定であることが分かった。七日に来伯した同議連の百周年小委員会に所属する二衆議が明らかにした。同日午後、百年祭会場となるサンパウロ市サンボードロモを視察し、サンパウロ総領事公邸で百周年記念協会代表者らとも懇談した。
 米州開発銀行(IDB)の南米プロジェクトの視察のためにパラグアイを訪れていた山際大志郎衆議(神奈川十八区、38)、井上信治衆議(東京二十五区、37)は七日朝着聖。昼からはオイスカ・ブラジル総局の高木ラウル会長自宅アパートで歓迎昼食懇親会に出席し、文協からは関根隆範副会長や小川彰夫副会長、ブラジル日本商工会議所の田中信会頭、援協の菊池義治副会長ら主要日系団体の幹部約三十人と意見交換をした。
 二人とも昨年五月にバイオエタノール施設視察に訪れたばかりで、今回は来伯二度目。井上衆議は「麻生大臣も大変強い関心をもっている」とのべ、昨年十一月に行われた第一回の百周年実行委員会設立準備会合に出席し、その時に日伯議員連盟内に「小委員会」を設立されていたことを明らかにした。
 この小委員会は、日伯二十一世紀協議会の日本側座長を務めた河村建夫衆議(元文部科学大臣)、藤村修衆議らが中心になって設立し、同議連による百周年関連事業をとりまとめる。約十人の国会議員によって構成されており、来伯した二衆議はそのメンバー。
 井上衆議は、ブラジル側代表から直接、記念事業に関して話を聞き、「箱モノは難しい」などの日本側政府方針とのすり合わせをするような意見交換をする考えで来伯。「百周年を成功させるよう何かお手伝いができないかと思っている」との意欲を示した。
 一方、山際衆議も、麻生大臣から「百周年の進捗状況を肌で感じてきてくれないかと言われている」と明かした。「二十一世紀をどういう世界にしていくのかを考えるような百周年にしてほしい」と、コロニアだけの祭典でなく、地球の両端にある両国の新しい関係を模索するような記念事業を要望した。
 二月一日から連邦下議に就任する飯星ヴァルテルさんも姿をあらわし、「ブラジル側の日伯議員連盟の一員として手を取り合って百周年を盛り上げたい」とあいさつした。
 その後、百年祭会場となるサンボードロモを視察し、在聖総領事公邸で百周年協会代表者らと会見した。公邸では、最初に西林万寿夫総領事から進捗状況の概況が説明され、夕食を食べながら幅広い意見交換が行われた。
 急ピッチで記念プロジェクトの絞り込みを進めている松尾治百周年執行委員長は、議員らと懇談した感想を「日本側でも百周年を心配していることがよく分かった」と話していた。また、県連会長として、県費留学生や研修生が次々と減らされている現状にふれ、「ぜひとも制度の存続を」と要望した。
 三人の若き代議士が意見を交わす様子を見て、ある昼食懇談会参加者は「百周年以後の日伯新時代の幕開けを感じさせる光景だ」としみじみ語った。