世界の山口県人がサンパウロ市に=8月に第2回世界大会=県人会80周年に合わせ

2007年1月11日付け

 世界の県人ネットワーク構築をめざして――。サンパウロ市で今年八月に「在外山口県人会世界大会」が開かれることになった。同月に予定されているブラジル山口県文化協会創立八十周年式典にあわせて実施されるもので、母県、世界各地の山口県人会から約八十人の関係者が来聖する見込みだ。同大会は二〇〇四年に山口市で初めて開催されており、今回が第二回目。今年七月の海外・汎米日系人大会に続く山口県人の世界大会。同協会の平中信行会長は「県人会の世代交代が進む中で、大会が母県や各国県人会との横のつながりを強めるきっかけになれば」と期待を寄せている。
 日本国外の山口県人会は現在、北米ハワイ、カリフォルニア両州のほか、中南米(ブラジル、ペルー、アルゼンチン、パラグアイ、メキシコ)、アジア(香港、シンガポール、バンコク)など世界九カ国に十六団体を数える。
 在外山口県人会世界大会は世代交代で母県との関係が変化しつつある在外県人会の横の連絡を緊密にすることを目的に〇四年十月、最初の大会が山口市で開かれた。北米、ハワイ、南米、シンガポールなど世界五カ国、九団体から約七十人が参加。代表者会議や式典、青年交流会議などが実施されたほか、「山口県人ネットワーク」づくりなどを盛り込んだ大会宣言を発表している。
 そして今回、ブラジル県人会創立八十周年の節目にあわせサンパウロ市で開催されることが決まった。開催日は八月二十六日の記念式典の前日、二十五日を予定。県知事、県議会議長などの参加も見込まれている。
 山口県の日伯親善協会もブラジル訪問の意向を見せており、日本からの慶祝団は「三、四十人になるのでは」と平中会長。各国県人会の代表、関係者などをあわせると「第一回目より多いかもしれません」と話す。
 大会では母県、各国県人会代表による代表者会議のほか、研修、留学などで訪日した二、三世の若い世代による会議を開催する計画だ。各国からの出席者は翌日の県人会八十周年式典にも出席。日本からの訪問団などはその後、ペルー県人会の創立八十周年式典に出席するため同国へ向かうという。
 県人会では仕事のある役員も休暇を取るなどして、来伯者の応対にあたる考えだ。「七十周年の頃はまだ一世が若かったけど、今回は二、三世の力も重要になると思います」と平中会長は期待を寄せる。
 ブラジル県人会からは、昨年十一月に平中会長が母県を訪問して最終的な日程を調整。すでに今年はじめから実質的な準備に入っている。三月の定期総会までに寄付集めなど細かい部分の検討を進めていくという。
 ブラジル国内の山口県系人は現在約千九百家族と見られるが、県人会の会員は三百家族程度。他の県人会と同様に、一世世代の減少とともに会活動の活性化は大きな課題だ。残り七カ月の間に、北はベレンまでブラジル各地の県人を訪れ、参加を呼びかけていくと意気込みを語る平中会長。「八十周年と世界大会が県人会活性化のきっかけになれば」と話した。