ミナス州=渋谷さんに友情寄贈=川村園長らが秘蔵品を

2007年1月11日付け

 【既報関連】ミナス州都ベロ・オリゾンテのウジミナス本社内に、私費を投じて日本文化展示スペースを作っている渋谷信行さん(82)を先週紹介したが、「さっそく協力者があらわれた」と本人から喜びの電話があった。
 数十点の日本の民芸品を寄贈したのは、大正小学校の後輩にあたる松柏学園の川村真倫子園長と、大志万学院の斉藤上田永実副校長だ。
 川村園長は「父親同士も大変親交が深かった。日本に対する強い思いをもってらっしゃる方なので協力しようと思い、秘蔵の品々をお渡ししました」と話す。
 寄贈されたのは、約六十センチの日本人形、長さ五十センチもある男女の装飾付き羽子板一対、ひな人形の一組、真鯉が六メートルもある鯉のぼりセット、団扇、扇子などの各種民芸品。斉藤副校長が三日に自家用車で、約六百キロ離れた同スペースまで運んだ。
 「家に飾っておくより、日本文化に触れる機会の少ない場所で大勢に見てもらった方がいいと思いました」と斉藤副校長は動機を説明する。本社を訪れて、「ウジミナスのみなさんが渋谷さんに敬意を抱いているのがよく分かりました」という。
 同展示スペースは、民芸品などが梱包された段ボール箱がたくさん積み重なった状態で、観覧用に整理するのはまだこれからのよう。
 渋谷さんは「大型の友情寄贈です。本当に嬉しい」と感謝の言葉を繰り返した。一移民による個人的な百周年事業だが、みんなが力を合わせれば立派になるという一つの証明をしつつあるようだ。