コラム 樹海

2007年1月18日付け

 今日十八日には日本国外務省では日伯交流年実行委員会の設立総会が、麻生外務大臣らの出席のもと行われている。ところが、ブラジル側の百周年記念協会では正式予算すらできあがっていない。これでは日本側でもどう動いてよいか分からず、さぞや困っていることだろう▼あと正味十七カ月で百年祭本番、来年の今頃にはブラジル銀行による数々の記念イベントも始まっている時期なのに、予算すらなくていいのか。最悪なのは、十三日の記念協会理事会でその危機感、切迫感がまったく感じられなかったことだ▼この期におよんで危機感がない指揮官は資質に問題がある、と言われても仕方ない。当たり前だが、危機感を煽るリーダーが不在だから、今のようにダラダラ、ズルズルとずれ込む。この一月末までに衆目が納得いくような予算書ができないなら、リーダーは責任をとるべきだ。予算すらできなくてこの四年間何をしていたのか、と言われてもしかたない▼大体、昨年六月までの日本政府の概算要求に予算案を間に合わせることができず、今年の事前イベントになんら資金が使えなくなった責任は、誰がとったのか▼上原幸啓記念協会理事長が兼任していた執行委員長を、松尾治県連会長に譲ったとたん、いろいろなものが動きだした。今回、総予算の上限を千五百万~二千万レアルに決定したのも、松尾執行委員長と中矢レナート財務委員長の英断だ▼どこにも悪人はいない。だが、善人だから全てOKという単純な話でもない。適材適所だ。やっと動きだしたこの流れ、もっと加速することはできないか。船頭は何人もいらない。(深)