日本館に錦鯉贈る約束=桜井参議、100周年に50匹を

2007年1月27日付け

 来年の移民百周年にあわせて、桜井新参議院議員(新潟県選出)が、サンパウロ市イビラプエラ公園内の日本館に錦鯉の幼魚、約五十匹を寄贈する予定であることがこのほど、関係者の話からわかった。
 同じ新潟県の出身で、日本館運営委員会副委員長の原沢和夫さんによれば、桜井議員は二十五年の議員生活の間にこれまで四回、来伯。日伯友好病院建設の際にも百万円をポンと寄付するなど、日系社会との繋がりが深いことで知られている。
 日本館は、サンパウロ市制定四百周年の際、日系コロニアが建設して市に贈った由緒ある建物。日本文化の紹介スペースとして有名。サンパウロ市民最大の憩いの場であるイビラプエラ公園内にある。
 建設された当時から、館内の池で錦鯉が飼育されており、これまで亡き橋本龍太郎元首相夫妻や小泉純一郎首相(二〇〇四年当時)が同館を訪れ、鯉を鑑賞している。両元首相はそれぞれ「大きい鯉だね」と称賛の言葉をかけるなど、大きく立派な鯉が泳いでいることでも有名だ。
 桜井議員は昨年十一月、新潟県人会の創立五十周年記念式典などに出席するため来伯。原沢さんはその際、同議員といっしょに日本館を訪れ、移民八十周年のときに桜井議員から受け取った錦鯉六十匹が、現在では十匹に減ってしまった現状を説明したところ、同議員は新たに幼魚五十匹を送ることを快諾したという。
 寄付される予定の鯉は、頭部に赤丸がある「丹頂」やブラジル人が好む体全体が金色に輝く「黄金」などが中心。新潟県中越大震災で被害をうけた小千谷市などから、生後一年程たった元気な鯉の幼魚が、日本から海を越えて届けられる予定だ。
 今回の話はすでに上原幸啓文協会長にも報告されており、来年、鯉が届けられ次第、謝礼の会を行う計画だという。